安否確認 (Radio check)
ここカブールで、JICA関係者(事務所員や専門家など)は、毎晩同じ時間に無線で安否確認をしている。
長期、短期あわせて常時50人以上がいるので、この点呼も全員終わるまでかなり時間がかかる。応答がないと、一巡した後にもう一度呼ばれ、それでも応答がないと携帯電話に電話がかかってき、それでも応答がないとセキュリティ担当者が宿泊先まで押しかけてくる(で、単にぼうっとしていただけだと怒られる)。
うちのセキュリティ担当は、欧米のセキュリティ会社から派遣されているフィンランド人だ。彼が一人一人の無線に呼びかける形で点呼は行われる。
"Charlie one, this is Kabul base*(*点呼をする担当がいる場所)"
"Chalie one, loud and clear, over"
こんな形で点呼は進んでいく。
ちなみに一人ひとりが持っている無線に「A-1」「C-3」などと書いてあり、それがその人のラジオコードになる。無線に詳しい人はご存知と思うが、全てのアルファベットは読み方が決まっており、A=Alpha, B=Bravo, C=Charlie、、となる。
私はAlphaなので、結構早く順番がまわってくる。一度聞き逃すと、次に周ってくるまでに時間がかかり、その間気が抜けないので、精神衛生上よろしくない。とはいえ、赴任してから今日までの約2週間、2度目までには応答しているので、携帯までかかってきたことはない。
こんな伝え話がある。いつも安否確認で、真面目に応答しているややシニアな専門家の男性がいた。ある日、その人から珍しく応答がなかった。「いつもきちんと応答しているのにおかしい」、そう思ってその専門家の方の部屋にかけつけると、脳梗塞(だったと思う)で倒れていた。
すぐにカブール市内の病院(軍の病院だったと思う)に搬送。発見が早かったせいで、この方は一命を取り留めた。どうやら安否確認の直前に倒れたらしく、それも幸いしたらしい。
この件があってから、「安否確認なんて面倒くさい」ともらしていた人たちは、ぴたっと不満を言わなくなったらしい。「いざというとき助けにきてもらえない」、そう思ったのかもしれない(もちろん放っておくことはないのだけれど)。
私もこの話が頭の隅に残っていて、多少面倒くさくてもちゃんと応えなきゃと思っている。いつ何時、自分の身に何が起こるかわからないわけだし。
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